2012/12/08

●● 伊インカス社からサンプルが届きました!

  先週末にインカス社から今回発注した3種類のレザーの
サンプルが届きました。
DHL航空便でイタリアから到着!

キッチリとインボイス輸入書類および、各サンプルのレザー明細票が添付!イタリアにしてはさすが老舗メーカーですね。




  本発注分の出荷が12月末ごろになるということだったので
ちょっと遅すぎます。そこで、早く、ハイヒールの試作テストするために
とりあえず、黒だけで良いから送れと指示したのです。

  いずれも、高級革のベビーカーフ(生まれたての生後3ヶ月以内の仔牛)ですが
加工が違います。

  ●ツヤツヤに加工したResina。
  ●自分で好みの半艶に仕上げることのできるParma。
  ●そして、シャネル、エルメスにも使われるベビーカーフの
3種類です。


こちらは、ツヤツヤロイヤルカーフレザーのResina。識別用のシールを貼ってくれています。




















レザー自体には、誇らしげにイタリア名門タンナーであるINCAS社の刻印が押されています。画面一番下に写っているツヤツヤに光っているのがハイヒール、ブーツ用の表革に使うロイヤルカーフのResinaの表面です。




   それぞれを、ハイヒールとブーツの表革、
靴底のアウトソール、レザーウェアに使おうと思ってマス。

   中でも、驚いたのが自分好みに半艶具合を調節仕上げできる
加工を施したParma。
送られたきた素材は、まったくの艶無しの素っ気無い革生地。
何じゃこれは~!とドキッとしたのです。くすんだなぐりつけたような
艶無しの革でしたので、一瞬だまされたカナと、、、

   ところが、磨いていくとドンドン艶がでてくる。
完全に磨き上げると、ロイヤルカーフと同じツヤツヤになります。
これは、とてもイイ。特に、半艶のグロス加減に拘る我々職人には
ウヒョヒョのレザーですね。自分のイメージどおりの半艶具合で
ハイヒールの靴底を仕上げられるので最高の6インチヒールができますよ。
疑ってスミマセン、、、

   プラモを作っておられる皆さんには、よくおわかりかと思います。
ドイツ軍の戦車などを、どのくらいの艶無し感で塗料を調合するかという、
あの感じです。

   次に、今回の特筆モノのレザーがヨーロッパの一級ブランド
御用達のベビーカーフ。何が、すごいかというと
まったくシボが無いくらいの平滑感を持つ革の表面(銀面という)
なんです。

   いままで、ギリシャラムレザーの手染め(美ジャケットや
クラシコスカートで使用しているレザーです)が
一番、きめ細かいと思っていたのですが、
その10倍くらい超微細!

   まあ、生まれたての赤ちゃん牛なんだから
肌はスベスベですわね。だから、当然といえば当然なんですが。
とにかく、いつまでもナデナデしていたいくらい気持ちイイ!

   これらを今週は、ずっと、漉き割りマシンで薄くスライスした場合の
各種の薄さ具合とその質感、ベストな厚みは
どれくらいか、限界の薄さはどうか、など。
いろいろテストしていたわけです。

   革にはそれぞれ特長があるので
各素材の持つ良さを最大限生かして商品化するのが
重要です。そのために、それぞれの素材をよく知らなければ
なりません。

   今回のインカス社から直輸入したレザーが
ビザールクイーンの素材に加わったので
ベルト、バッグなど各種アクセサリーにも使えそうです。
ラムレザーでは、ウェアには良いのですが、強度が必要なアイテムや
明らかに質感が合っていないバッグ類などには使えないため
あきらめていましたから。

   でも、これにより、来年からはもっと広いアイテム展開をできるかなと
ワクワクしています。

   実は、今、そのために最大のネックである試作に伴う
時間と労力を軽減するための作戦を遂行中なのですが
それは、また次回にでも!