2012/10/25

●● ハイヒールの踵パーツは無念にも失敗!

さて、ハイヒールのスパイク用の穴を再度モデリングしなおし、
CAM切削で正確に開ける方法に切り替えて
うひょひょ、今週初めに実行!

しかし、ものの見事に失敗に終わりました。
切削ツール刃が折れました。

う~ん、、、
ちょっと、気になってたんですけどね。

ABS樹脂というのは、一箇所に集中して削ると、
過熱して溶けやすいんです。

CGでモデリング時に、穴を3mmの深さで開けたとき
ちょっと、ヤバイかも、、、
ちらっと脳裏に浮かんだら、案の定でした。

スパイクの直径は1mmX深さが3mmなので
切削ツールもわずか1mmの細い切削ツール刃です。

これが、一気に3mmもどうやら彫りこんだらしく
過熱して溶けたABS樹脂が切削ツールに固着し
ダンゴのように固まって、ポキッ、、、

だったんでしょうね。ToT

朝、出社して見たら折れて、刃先は行方不明、、、
何度も経験しましたから、(2mmでも折れます。)

切削用のドライバソフトが、どういうプログラムで
切削手順を決めるのか、わかりません。
100万以上の業務用のドライバソフトなら
人間がやるときと同じように、
細かく切削プログラムを組めるようですが、、、

徐々に彫ってくれたらいいのですが、
一点をここぞとばかり、一気に3mmまで掘り込んだら
そりゃ、ブッ刺してるのと同じだから、
折れますわ、、、

というわけで、CAMによるスパイク穴開け作戦は断念。

他の良い方法を探すしかありません。
何か、
名案が無いですかね、ダンナ!



2012/10/21

●● 一方、ハイヒールではまたもや難関が!

週明け、快調にブラジャー開発用の冶具の切削が進む中
ハイヒールの量産化にまた戻ったのですが、
ここで、う~ん、またもや予想外の難関に直面です。

従来のハイヒールは、クールガール用に作ってきたので
ボディの重量がABS樹脂で軽いため
ハイヒールの踵ヒールパーツは接着剤で十分な強度がありました。

ところが、ホットスタッフボディでは、
一気に重量が増え重くなりました。
そのため、あの1mmしかないピンヒールで支えるために
いろいろ検証した結果、1/1リアル世界同様、
ヒールにスパイクを打ち込んで補強する必要があるとわかりました。
早い話が接着剤だけでは、ヒールが取れてしまう危険があるのです。

そこで、問題になってきたのが、
スパイクを打ち込む穴をどうするかです。


いままでは、試作だったので、要はワンオフ程度の製作数でした。
だから、テキトーな方法で良かったのですが、
ある程度、量産するとなると、

正確な位置に正確なサイズ、形状で穴を開ける必要があります!


当初は、パーツをCAMで削りだした後、
精密なフライスドリルで開ければいいやと、
楽観していましたが、やってみると
毎回、ヒールをどうしたら、正確に位置決めして固定できるか
冶具も含めて考えましたが、名案浮かばず。
誤差は最低でも0.5mm以下に抑えないと
できあがったハイヒールのヒールが左右でズレて全く美しくない!
どうも、この方法は無理なようです、、、

完全に、お手上げになりました。

結局、試行錯誤した結果、
もう一度ハイヒールのヒールパーツをモデリングしなおして、
3DCGのモデルの段階でこのスパイク用の穴を作り
CAMで切削するしかないという結論になりました。

これなら、パーツに穴を開けた状態で切削するわけですから
位置や形状は完璧です。
ただ、問題は、うまく切削できるようにCAM用に設計できるかどうかです。

今までの設計では、ヒールを横に寝かせた状態にして並べて
単純に上面と、下面の両面切削でした。

しかし、今度は、ハイヒールの靴底の踵に接する部分に
スパイク用の穴を開ける必要がありますから、
今度は、横に寝かせるのではなく、
立てた状態で設計し、少なくとも、天(上面)と、左右両側面の3面から
切削しなければなりません。

そうすると、保持するサポート(プラモで言うランナー、ゲートのこと)を
どうつけるか、、、

とりあえず、この土日を使って、ヒールのモデル形状を
今現在、作り直しているところです、、、ToT

まず、新しいヒールの原型ができてから
いよいよ、CAM用のデータ設計用に加工修正となるわけですが、
ちょっと、これまた、時間がかかりそうですねぇ、、、



2012/10/20

●● ブラジャー開発用冶具が完成!

先週の土日2日かけて作ったホットスタッフボディの
デジタルモデルデータを、いよいよ今週明けに切削開始しました。

まずは、CAM切削機の物理的限界から
6cmの円柱ABS樹脂を用意しました。
ホントは、8cmあればホットスタッフのボディ横幅を全て
削りだせたのですが、残念ながら機械の制約があるため
3DCGでモデリングするときに、完成データが
6cmの幅に収まるように、肩口から切り落としています。

直径が6cm高さが15cmのABS樹脂の円柱。これを削ります。

前準備として、直径が6cmもあるABS樹脂を15cmの長さに切る必要があります。
これを、手ノコで切ると、さすがに死なせてくれマスから、
プロクソンのバンドソーで切るのですが、これもどちらかというと
ホビーツール系の電動工具なので限界ギリギリ。
一発では、なかなか切れません。ヒヤヒヤしながら5分くらいかけて切断しました。

その後、芯だしをする工具で中心点をケガいて、
回転軸にとりつけます。
先日のSRPPlayerという、ローランドの最新切削ドラバソフトに
切削データをセットして、いよいよ昼前に荒削りスタートです。
推定完成時間は10時間と出たので、作業の目安になり便利です。


6mmのラジアススクエア刃を使って荒削りスタート。大きな切削音で始まります。

4時間ほど経過して、ほぼ終わりかけの状態です。

荒削りが終了した状態です。等高線状に荒削り切削が行なわれたようです。
ソフトは、ここでいったん停止して、ソフトの画面上に、仕上げ用の切削ツール刃に
交換するよう指示がでます。

R1.0つまり直径2mmの仕上げ用ツール刃に交換して横1ラインずつ
360度にわたって静かに削っていきます。
削った後は、ご覧のとおり、スベスベになります。

翌日の朝、出社したらこのようにできあがって自動停止していました。
夜中に削ってくれたわけですね。
仕上げ加工が終わった直後の状態です。

ハイ、左が3DCG上での仮想データ、右が現実空間での物体。
データどおりに出来上がりました。
苦労してデジタルモデリングして作っただけに、チョイ、感動!

午後3時ごろに荒削りが完了しました。
約4時間でした。これから、あと6時間ほどかけて仕上げ切削です。
さすがに、これは、お付き合いできないので
CAM君、あとヨロシク~、です。

翌朝、出社して見に行くと、停電やトラブルも無く
無事、切削が完了したようです。
丸2日かけて、作り上げた労作?のボディデータだけに
手に触れる物体として、現実空間に現れると
チョイ、感動します!

これで、いよいよ、お待ちかね!
クラシックなブラを製作できるようになったので
楽しみにしていてくだせぇよ、ダンナ!

●●ブラジャー開発用の製作冶具を作る!

と、まあ、前回までの内容は、
先週10/12までの奮闘記でした。

時間軸が1週間ほどずれていますが、それだけ、
いろいろなことを同時並行してやってますので、
ブログを書くのが追い付かないんですよ~。

さて、今回からは、やっと先週末の土、日の作業内容です。
(それでも、明日になればもう、1週間過ぎてますが、、、)

先週の土、日2日間は、ホットスタッフのボディを
ABS樹脂で切削造型するために、
3DCGのモデルデータを作成しておりました。
ほとんど、死にました~、、、ToT

CAM切削トラブルの検証待ちの間に、
スパンキースカートの開発を始めましたが
実は、もうひとつの作業をマルチで進行させてたんです。

何をしてたかというと、ホットスタッフのオリジナルボディの形状を
3Dスキャナで読み取らせていたのです。

と言っても、初めの読み取り設定さえ決めてしまえば、
あとはCAM切削機と同じで、機械が勝手にやってくれます。
正確にホットスタッフのボディ形状をゲットしようと思うと、
さすがに、手でイチから作り上げるのは不可能です。
特に、レザーウェアを作るわけですから、
正確なサイズのトルソーが必要になります。

ところが、ここでひとつ問題が、、、
ご存知のように、ホットスタッフのボディの
最大のウリは、例のプニュプニュバストですね。
これは、遊ぶときには実にサイコーなわけですが、
いざ、衣装を作ろうと思うと、長所が裏目に出て実に困るわけです。

フニャフニャのゴムなので、形状が安定しないからです。
つまり、ブラジャーを作ろうと思うと
クールガールなどの樹脂系ボディのように
形状が固形物でないと、デザインあわせがとても大変なんです。

そのため、以前より、お客様から
ホルターネック方式のブラばかりでつまらん。
一般的な肩ヒモとバックストラップ方式の
典型的なブラジャーを作って欲しいとのご要望をいただいてましたが
ボディの専用冶具が無いとダメなんだよな~と
ペンディング状態になってました。

そこで、金曜日に切削トラブルも片付いたので、
清水の舞台から飛び降りる決心をして
先週の土日で突貫でモデリング開始したわけです。
(経験上、相当な苦労と忍耐、ストレス作業になるだろな~と、
わかってたからです、、、誰かやってョ、、、トホホ)
結局、土曜日の完成データは、6方向から
スキャンした生データを基に合成しましたが
きれいに一つに整合できず、夜中にギブアップ、
放棄しました。こういうときは、トットと寝て気持ちを切り替えるしか
ありません、、、ToT

翌日、念のために、360度の回転方式でも
スキャンした生データがあったので
これなら、もともと1つのデータですから、
問題箇所だけを合成するだけで済むので
整合しやすいのでは、、と方針を変更。
結局、日曜日、丸一日かけて完成したモデルを
採用しました。

全力で作業しましたが、やはり、スキャンした生データに
問題が多く、オリジナルのボディと完璧にコンパチの表面には
なりませんでした。

というのも、現在、3Dスキャナには大別すると
レーザー照射式のものと、針で物体表面を一点ずつなぞっていく方式の
2つがあります。
残念ながら、今回のホットスタッフのように
シリコンボディでは、針方式のスキャナでは、
ゴムに針がめり込んでまったく、使い物になりませんでした。

したがって、レーザー方式のスキャナーで読み取ったのですが
どうしても、光線の反射による誤差が大きく、データが凸凹して荒れます。
正確にキレイな形状データをゲットするには、針方式がダントツです。

このため、デルタ、バストの谷間やアンダーバストなど
レーザーが当たりにくい、窪んだところは、
シワがはいったりして整形不良みたいになりました。
なお、腕があると、バストサイドや、わき腹など
レーザーが照射できない部分が広がり
ゴミデータが非常に増えるため、ロクなことがないので
あらかじめ両腕を切り離して、あとで、腕だけをスキャンします。



全身を正面からレーザースキャンした生データ。密集した点の塊です。0.2mmのピッチで読取。

レーザー光線が当たらない側面はご覧の通りデータが存在しないので、
流れ星のようにゴミデータが横に広がります。
あるいは、バスト横のように、データが欠けてしまいます。

まあ、シリコン型用のモデルを作るわけではないので妥協しました。
あくまで、ブラジャーを作るためのハードボディであれば良いので
細かい点はしかたないですね。

ちなみに3dレーザー関係もCAM切削と同様
ローランド社のものを使っています。
これらは、3DCGのモデルデータを開発していたときですから、
もう、7,8年くらい前に導入したものです。


レーザーは針方式よりも読み取り時間が早いので
ホットスタッフの全身ですと、0.2mm刻みで

6方向で10時間くらいでしたかね。
360度全周方式も合わせて、ついでなので
手、足バラでも取っとけてなぐあいで、3日くらい先週は稼動させました。

ただ、3Dスキャン作業は簡単ですが、あとの合成と修正は
人間が専用ソフトでチクチク作業しますので、めちゃくちゃ時間がかかります。
私のように3DCGを長年やったものでも、失敗するし結局丸2日も
費やしたのです、、、

当初、ご覧のように6方向のスキャンデータ(色で区分がわかる)を合成、
その後、修正しましたが結局、気に入らず失敗!やり直すことに。

ブラジャーのパターン作成用の冶具なので不要な箇所をカット。
これは、翌日、360度1ショットのスキャンデータで作成したもの。
まだ、生データのままなので表面が凸凹しています。

CAMで切削するために、表面をできるだけ滑らかにします。
ただし、やりすぎると形状フォルムが失われるので(乳首など)
バランスを考える必要があります。

上記のように、3Dスキャンの生データを合成、ゴミデータを修正したら
やっと、ホットスタッフボディのデジタルデータが完成です。
ここまでの作業は、3Dスキャン生データ専用の修正加工ソフトが無いと不可能です。
非常に専門的な作業内容ですから、この作業を専門に商売をしている会社も多いです。
多くの方向からスキャンした生データを1つに合成して、
不要なゴミデータや穴埋め修正をし、きれいな一つの物体形状にするわけですが
とても忍耐の要る仕事ですから、私はやりたくな~いですね。^o^
セクシーなレザーウェアを作っている方が楽しぃーッ!

さて、残念ながら、このままではCAMで切削できないので
次に、ABS樹脂で加工するための保持パーツ(プラモで言うランナーですね)を
3DCGソフトで追加作成します。

3DCGソフトもいろいろあり、アニメや動画を作る専用のものもあれば
今回のように、工業系パーツ専用のものもありさまざまです。

今回のCAM切削に適したデータを作成できる3DCGソフトでは
業界標準となっているライノセラスを使用します。
このソフトは、宝石やジュエリー業界でもスタンダードです。
今や、3DCGでデザインし、原型をワックス(蝋)で切削。
それを元にして作った型に、シルバーやゴールドを流して鋳るわけですね。

さて、このソフトでは、ランナーをつける場合
CAM切削の材料の形状などを把握した上で
中心軸を設計します。今回は、6cmの円柱ABS樹脂です。

これをいいかげんにすると、先日のCAMトラブルのように
切削ツールの刃がABS樹脂に突き刺さり、異常停止します!

材料として直径6cmの円柱を予定しているので、
ど真ん中に来るようにサポート保持パーツを配置します。
これが、切削作業が終わって出来上がる最終形状となります。

さて、土日丸2日かけて、できあがった上記のデータを
いよいよ、3Dの仮想空間から、
実際の現実空間で触れる物体に削りますよ~。

さて、どうなるかな?

2012/10/18

●● BizarreQueenの女王様の典型アイテム、スパンキースカート開発中!

Cam切削でトラぶって検証している間、
つまり
早い話が、機械が切削している間は
ひたすら待つのみです。

冶具が無いとハイヒールが進められないので
しかたないので、
かねてから作りたかった
ビザールクイーン御用達のスパンキースカートを
開発することに!


これは、Spanky Skirt または、Assless skirt と
呼ばれるようですが、
要は、ヒップが露出しているスカートのことです。
前から見ると、普通のスカートですが、
後ろはご覧の通り、、

何じゃ、こりゃ~ッ!
と、キミョーキテレツなわけです。

まあ、子供がお尻ペンペンされるのと同様
Spankプレイ愛好者の専用アイテムから
転化して、ファッションとして広く普及した?
ビザールクイーン必須のアイテムです。
ベルトで締め込んでいく感じが
実に、カッコいいと思います。

①がラフデザイン、②がそれをもとにした試作2号、③がそれを洗練修正した試作3号。



クラシコの縫製検査落ちのロングスカートをベースに
イメージを書き込み (試作1号)
実際に、テキトーにパターンを作って
穴の大きさ、位置のアタリをとります。(試作2号)
こいつがたたき台になるわけですね。

それから、少し真剣になって
試作2号をいろいろな角度から眺めて
また、いろいろ、ちょいエロ寄りにも想像して、^o^
穴の形状、個数、大きさなど
よりセクシーで美しいデザインになるように修正します。(試作3号)
この段階では、まだ穴を直接くりぬいただけです。

まあ、大体こんな感じ?
穴の個数はこれでキマリかなと思います。
あとは、いよいよベルトを取り付けて
長さや、スカートのベルト取り付け部分の
形状を洗練させていきます、、、

このスパンキースカートには、
専用の見せパンTバックをデザインして
セットでお届けしたいと思います。
ヒップを大きく露出させているわけですから
ちょっと、
グリッターでグラマラスな
Tバックを見せびらかすのが
良いのではないでしょうかネ、ダンナ!


2012/10/17

何でも、全自動が良いとは限らない!

はてさて、ツール(ドリルの切削用刃)が異常停止して
ABS樹脂にブッ刺さる、、、

2回ならまだしも、3回目ともなると
これはもう、
機械の問題や、偶然ではありませんから
本気で原因を探さねばなりません。

幸い、PC制御のCAMマシンソフトでは
たいてい、切削し終わった最終予想形状が
表示されます。

そこで、データに問題がないか
モニターに目をこすりつけるぐらい
よ~く、チェックすると
必ず異常停止する箇所のデータ形状がどうもおかしい、、、

3DCGソフトで、モデリングした最終データ形状と
違うのに気付きました。
円柱のABS樹脂を削りますので、
切削が進んだときに、切削モデル自体が落ちないように
モデルデータの両端に支えになるような丸棒を
1cmほど付け加えているのですが
それが丸ではなく、三角になってる!

???
ということは、中心軸がずれているために
丸棒にならず、三角柱と認識され、
急激に深く掘り込む結果となり
過負荷がかかって異常停止したのです。

つまり、私がモデリングした形状データの
中心を、CAMのドライバソフトが勝手に
変更していたということが、判明しました。

念のため、メーカーにこのソフトの設計仕様を
問い合わせると、
”誰でも簡単に切削できるようにと
全自動で、バカチョン式にしました~!
ユーザーが手動で中心軸を調整する手間を省くことで
初心者の主婦の方でも簡単にお使いいただけま~す!”
てな感じ、、、

おいおい、それはアカンやろ!

皆さんにわかりやすく言うと、
今回、ハイヒールの冶具を作るために
ホットスタッフの足首から下の形状をCGで
モデリングしたわけです。

通常、人間の足というのは、
足首は足の後部(踵)に偏っていますね。
足のど真ん中に足首があれば化けモノですわ。

したがって、支えにするための丸棒は
当然足首の中芯部に追加しないとダメだから
結果的に
中心軸をこの足首のど真ん中に配置することになります。
まあ、いいかえると、足全体で言えば踵付近、いわば
中心軸が後ろに偏るわけですね。

ですから、円柱のABS樹脂材料を削るときは
設計段階では、足首がこの円柱材料の中心軸に来るように
わざとずらして、配置したわけです。

ところが、このCAMドライバ君は
バカチョン式に全自動化されてるものだから、
なんでも、かんでも、モデルデータ全体の中心を
材料の中心軸に配置してしまうのです。
いいかえると、足のど真ん中に足首がある感じに
なったわけです。

このために、何も無い部分を
中心点に向かって、深さがゼロの地点に
到達するまで深く掘ろうとしたわけです。
CAM切削機は正直だから、ソフトの指示通りに
ドリルを突き刺しただけだったんですね、、、

まあ、原因がわかり
設定を修正したので以後、異常停止することは
なくなりました。

それにしても、全自動で動くように設定された
機械は、非常に便利なのですが、
ちょっと、突っ込んだことをしたい
細かい調整をしたいというときには
時として不便なこともあります。

おなじことは、ミシンでも言えます。
私は、試作用にブラザーのイノビスD300という
自動糸調子つきのコンピュータ刺繍ミシンを使いますが
レザーの超薄素材など、特殊な場合は
糸の調整に苦労します。

自動糸調子のミシンは、早い話、手動で調整できません!
工業用のミシンは、専門の保守係りがいますから
原則自動糸調子なんかありません。
あらゆる素材に対応するためには、当然でしょう。

そこで、今回、試作用にジューキのオーバーミシンとして
有名なベビーロックを検討したときは、
自動糸調子の”糸取り物語”か、手動糸調子の”衣縫人”か
決めるときに、迷わず”衣縫人”を選びました。

オーバーミシンでは、糸が4本になります。
本縫いのイノビスでは糸は上糸と下糸の2本だけなので
何とかなりますが、
4本も糸を使うとなると、絶対に無理。
案の定、特殊な素材のときに、糸調子が合わず、
自分で、4本の糸を調整したらうまくいきました。
これも、自動機を購入していたらアウトだったでしょう。

そうそう、車でもそうですね。
普段は、オートマで渋滞など楽なんですが
いざ、急加速したいときなどは、
マニュアル車でスカッと自分の思い通りに
チェンジできるほうが、良いときがある、、、

まあ、全自動というのは、全てに良いわけではないと
知らされた、冶具作りでした、、、トホホ




2012/10/12

ハイヒールの冶具作りで泣かされた今週!

いやぁ、、、今週は、CAM切削機に泣かされた
一週間でした。

ハイヒールの生産に、どうしても必要な
爪先と踵の整形用の冶具を作っていたのですが、
先週までの作業では、片足をABS樹脂から
削りだすのに、2日!かかってたんです。

そこで、何とか作業時間を短縮するために
いろいろ調べていると、
ローランドの最新型の3DCAMには
性能の良い切削ドライバソフトが付属しているのが
わかり、今月の初めに注文したのです。

それが、今週、来たので
さっそく、インストールして
切削データを作り直したわけですよ。
すると、
おお、、、神よ!
新しいソフトでは、作業に必要な時間が
出るではあ~りませんか!(浜雄二の言い方で、、古ッ ^o^ )

それも、たったの3時間ッて~!
今までの48時間が3時間て、ホントかぁ。
時は金なり、結構高かったから
それぐらいでなきゃ、ボッタクリでしょ。

うひょひょ、、と喜び勇んで切削開始。
おお、音が違う。パワフルな感じ。
ざくざく、削る感じ。
そんで、安心して他の仕事へ。

もう、できたかなと戻ってきたら
おお、ソレ、ミ~ヨ!
ツール (切削ドリルの刃先)がABSの円柱に
ブッ刺さって異常停止してる!

2時間経過後の、荒削りが終わる寸前で
過負荷がかかったらしく
異常停止!
昔のエンタに出てたフランケぇ~ンかよ! (と、誰か、ツっ込んでネ)

まあ、なんかの拍子でかなと、仕方ないので、
あきらめて翌日、再開。
ところが、また、ゴンッ!と鳴って
全く同じ箇所、同じ時間に異常停止。

これは、面妖なと
いささか、不審を覚えたがゆえに
拙者、思いを馳せた末
切削設定に安全策を施して
再度、実行したるなり、、、  (って、何で急に文語調?)

ところが、また、
同じ場所、同じ時間に異常停止。
3回目になると、さすがに、
本気で原因を探すわけです。
早く、冶具を作らないとハイヒールを
生産できないわけですから。

いよいよ、どうしても原因がわからなければ
今まで使っていたドライバソフトに戻して
切削するしかないな、
でも、あれだと、2日もかかるし、、、

一体全体、異常停止する原因は果たして何なのか?

2012/10/02

●● う~ん、残念ながらハイヒールの素材探しは時間切れッ!

先週後半は、届いたフランスの2社
デュプイ、アノネイのボックスカーフを
さっそく、テストしたんですが、、、

う~ん、実に惜しいのですが、
1/6ハイヒール、ブーツの表革には
使えないですねェ、、、

何で!?

ハイ、光沢感がちょっと私のイメージに合わないのですよ。
銀面(革の表面のこと)の肌理が
微かにザラついているので
光を反射したときのレザー表面の
粒子感が気になるのです。

もし、1/1のリアル世界でのハイヒールやブーツなら
文句なしに素晴らしいのですが、
それをもし、そのまま、1/6に縮小すると
当然、銀面の肌理も細かくなりますね。

でも、実際には1/1の肌理のままで
1/6サイズの小面積のハイヒールの表革に
使うわけですから、当然、どうしても
肌理が粗く感じられてしまいます。

その点、数少ない手持ちのアンティバ社の
ロイヤルカーフの銀面は、ほとんどザラツキが無く
クリーミィな上品な光の反射光なので
これを使って、1/6のハイヒールにすると
まさに、1/1世界で見るハイヒールの
光沢感にドンピシャなんです。

実際に、1/6のハイヒールを
光に反射させて比較、ご覧いただけば
一目瞭然なんですが、
写真では、ちょっと難しい、、、

ちょっと、がっくりきたんですが、
表革に使えないかわりに、
中敷に使えることがわかりました。

この中敷には、先日、取り寄せた
栃木レザーのワイルドレザーを使うと
ブログに書いたのですが、
ワイルドなだけあって、表面に微かな
キズが多く、ちょっと気になっておりました。

でも、このデュプイ、アノネイのボックスカーフですと
超一級の仕上がりですから、問題ありません。
表革にはちょっと、きついギラつく質感も
中敷ですと、コントラストが効いてバッチリです。

と、いうことで、結局ですね、栃木レザーをボツにして
デュプイ、アノネイのどちらかでいくことにしました。
なんとしても、この超一級のレザー素材を
使って仕上げたいわけです。


てなわけで、残念ながら時間切れです。
いくらなんでも、もう今月には商品化したいので
いったん、ここで表革の素材探しは中断して、
手持ちのロイヤルカーフで行けるところまで
行くことにしました。

無くなったら、明日は明日の風が吹く~、ですね。
皆さん、売り切れる前に速攻でゲットしてくださいッ (ペコリッ)

それにしても、いよいよ、
ビザールクイーンのハイヒール、ブーツは
凄いことになりましたよ。

表革は上品な光沢感のある
    イタリアのアンティバ社のロイヤルカーフ!
インソール中敷はややギラつきのある
    フランスのデュプイか、アノネイのボックスカーフ!
アウトソール靴底は、上品なマット感のある、
    イタリアのインカス社のボックスキップ!

一流ブランド御用達のキラ星の如き
超一流のヨーロッパの有名タンナーのレザー素材を使った
スゴイ、1/6ハンドメイド品になりますよ~!

それぞれが、素材質感が違うので
ハーモニーを味わえます。
ホント、眺めてるだけでも時間が過ぎるのを
忘れるくらい楽しめます。
いや、実際、試作段階でもハマってるんですから、、、

それがまた、
実際にホットスタッフに履かせて遊べるッてェんだから

病み付きですゼ、ダンナ!