2012/12/28

●● 来たァ~!イタリアから直輸入レザーが到着です。

   昨日は、待望のイタリアはインカス社から
先月の中国広東リニアペレアジア展示会で
発注したレザーが航空貨物便で弊社の奈良工場に到着しました。



MADE IN ITALYの文字がマブイぜッ!




   たった、これだけですが、何とワンボックスカーや
セダンが軽く1台買える値段ですぅ、、、ToT

   まあ、それだけ最高級のレザーだということですから!(シャキッ!)
素晴らしいレザーウェア、レザーアイテムを
ばんばん作れますよ~!

   3ケースそれぞれに、3種類に分けて入ってます。
Resina, Parma, ロイヤルベビーカーフですね。
航空貨物のため破損しないように、
鉄板みたいに頑丈なダンボールケースです。

   まあ、とにかく、オイラにはそれよりも
MADE IN ITALY と誇らしげに印刷された
ダンボールケースがマ、マブイぜっ!

   まッ、イタリア人は結構いいかげんなところがあるようだから
果たして、どんな感じで梱包されているのかなあ、、、と
少し不安な気持ちで開けてみます。

   というのも、結構、日本国内でもぞんざいな
輸入問屋だと、箱にそのまま広げて出荷してくるところがあり
運送中に偏ってしまい、クシャクシャにしわよってクレームを
つけたことがあります。

   とくに、ラムレザーのように繊細で柔らかな素材ですと
いったん、長時間シワが入ったまま放置するとまず取れません。

   さて、開梱してみると、びっくりしました。
さすが、イタリア屈指の名門タンナーです。
きっちり、ロール状にまとめてくれています。
これなら、シワの心配はありません。


きっちりロール状に梱包されています。さすがは、イタリア名門タンナーのインカス社ですね。

   
   まずは、このままロール上で保管すると巻き皺がついて
柔らかいベビーカーフ素材に宜しくないので、
とっとと、開反して広げなければなりません。


   次々と箱から取り出して、とりあえず棚に置いていきます。
そのうち、梱包ビニールを止めているテープに
色分けがあることに気付きました。

品質等級をさらに細分化するために、色分けされた等級識別テープ。


   これは、内容明細リスト(画面の黄色丸印に見えるのが内容明細票)で
調べると、それぞれ1枚ごとの大きさが記載されていて、さらに
それぞれの品質等級が記載されています。

   今回は、どうせ精魂込めて最高のハイヒール、ブーツを作るんだから
とにかく最高の素材が欲しかったので
全てSP(特級)を購入しましたが、さらにそれを彼らは
Ⅰ~Ⅲ級まで細分化して品質を選別してるのです!!
すげェわ、、、

   赤…SP-I 最高クラスの特級
   緑…SP-II 上特級
   白…SP-III 並特級 ですかね。

そこで、開反時に表面を一枚一枚丹念にチェックして
違いを確認したのですが、、、
わからん!

   もちろん、プロのタンナーたちが見れば一発でわかるのでしょうが
オイラにはわからん、、、トホホ。
まあ、一ついえるのは、穴あきですね。
これは、わかる。SP-I には、全く無いから。
大きさにかかわらず、まず穴が空いてると不良となるようです。
裁断パターンの取れ勝手が悪くなるから、まあ、当然ですね。

   あとは、表面の荒れかな。と、言っても
目を凝らして見ないと、或いは、全体のパッと見のイメージで
感じるような程度でしかない。非常に微妙な違いです。
いや、はや、やはり世界の一流というものは
自分で体験して目を肥やしておく必要がありますね。
眼識が増え勉強になります。


おお!なんときめ細かいイタリアンベビーカーフでしょう!さすがは、シャネル、エルメス御用達だけありますね。その、しなやかで、柔らかい手触り感にうっとりです。


   特に、開反時に感動したのがこのロイヤルベビーカーフですね。
バカチョンカメラなので、質感が正しく伝えきれてませんが
クリーミィな肌理の細かさはおわかりいただけるかな?
皺を伸ばしながら広げていると、そのしなやかで柔らかい手触り感に
いつまでも、ナデナデしていたいくらい、、、

   手染めギリシャラムと、互角、う~ん
それ以上か、、、
シャネルやエルメスなどの超有名ブランドが使うだけありますわ。
この質感、手触り感、艶感は!

   これとは、別に、Resina, Parmaの各ベビーカーフでは、
今回は、せっかくなので夏用の白/グレー、春の白/ベージュ
秋のグレー/ダークグレーなどのコンビのハイヒールなんぞも
作りたいなと思いましたので、追加で発注しました。
基本は、まあ黒ですが、やはりお洒落なデザインのものも作りたいし
バリエーションが広い方がお客様も楽しむ世界が広がるカナと。

   あと、ホットスタッフ用のセクシーな手袋ですが、
以前、試作したときは、イタリアンラム素材で作りました。
1/1世界では、通常高級婦人手袋にこれらの高級素材が
使われるから、手持ちのラムレザーの中で
質感が一番近かったからです。しかし、それでも
1/6スケールでは、シボが若干大きくて
1/1のあのセクシーなラムレザーの質感とは異なり
違和感がありました。

   ところが、このベビーカーフであれば
ほとんどシボが無いといってもいいくらいのきめ細かさなので
これこそ、1/1ラムレザー手袋をそのまま1/6に
スケールダウンしたらこんな感じだろうなあ、、、
と感じる、まさにドンピシャの質感では!
これは、むむ、、、使える!使えるぞぉ!

   まあ、そんな風に製作意欲を刺激してくれる
イタリアンベビーカーフがビザールクイーンの
強い味方となってくれる2013年になりそうデス!

2012/12/20

●● やっとイタリアからレザーが輸出されました!

   先週の土曜日に無事、帰国しました。
速攻で、新しい事務所を決め、工事の設計内容も
業者と取り決めて、忙しい1週間でした。

   でも、だいたい、中国では即断即決が基本です。
日本のように、後日検討して返事します、と言うスタイルは
嫌われます。特に、日本人と取引したことのない相手と
商売するときは、理解されないので困ります。

   向こうでは、非常に暖かくて18度くらいの日もありました。
日本では、各地で雪が降って大変だったようですね。
途中、初めての領空侵犯があったようですね。

   現地では、中国としては当然の通常業務を行なっており、
日本の不法な活動(我々にとっては中国の侵犯行為に対する
当然の正当なスクランブル活動であるわけですが、、、)を
即刻やめるよう要求している、、、てな具合で大々的に報道されており
ご丁寧にも、自衛隊の戦闘訓練風景?の映像を流すことで
あたかも、日本が軍国主義に走っているようなイメージを
見ているものに与えるように、意図的な映像を流していました。

   早い話が、彼らは、国家主権の問題として
本気なわけです。我々は、領土問題は存在しないと言う表現は
もはや通用しない状況に来ていることを認識する必要があります。
恐らく、来年からはもっと執拗に、侵犯行為を継続してくるでしょう。

   言い換えると、それだけ、彼らは、貧富の差や汚職に対する
民衆の怒りの矛先が自分たち共産党にいつ向かってくるか
わからないという恐怖が、日増しに強くなっており愛国意識をあおり
怒りを日本に向けさせるために必死なわけです。
政権崩壊=死というのは、中国の歴史を見れば明白です。
たかだか8000万人の共産党に対し、15億以上の民衆が暴動おこしたら
勝ち目はありませんからね。

   さて、滞在中にイタリアのインカス社の発送準備ができ
いよいよ、今週、航空貨物で発送されました。
船便でくるような場合は、非常に大口の注文だけで
だいたい金額ベースで500万円ぐらいまでなら航空貨物だそうです。
そりゃそうですね。コンテナ1本分もレザーで一杯にしたら
すごい量でしょうから!

   う~ん、タッチの差で入荷が年内ギリギリというところでしょうか。
とても、製作にはまにあいませんね。
年明けは、何処の会社もあいさつ回りなど形式的な
業務で1週間くらいはつぶれますから、
ハイヒールの開発にかかれるのは、早くて1月中ごろ、、、

   年末、年始の休暇中は、今度あたらしく導入する
バーチャル試作システムの習得に励もうと思います。
これは、試作に費やす時間と労力、材料の無駄を少なくするために
3次元CG上で、できるだけ試作シミュレーションをすることで
レザーウェアの裁断パターンを詰めていくという画期的なソフトです。

   早い話が、裁断パターンを作ったら、
3次元CG上でマネキンボディに着せてみて、
不具合箇所を検証、そして、再度パターン修正して
また、着せてみて検証、、、ということを繰り返すことで
実際に縫わずに、PCにシミュレーション表示させて
最終パターンに近いところまで仮想世界で詰めてしまおうというワケ。

   すでに、1/1アパレル業界では実戦投入されており
活躍しているそうです。これを1/6で使おうというわけです。
とにかく、開発時間の短縮はビザールクイーンにとっては
重要なのです。

   具体的な、システムは来週納品されるので
レポートは来週にでも書きたいと思います。
まあ、デジアナ職人として、ぜひとも活用したいですね!

   そんなわけで、今日は出張前に中断していた
スパンキースカートを縫って完成間近の試作してます。
なかなか!ヒップの露出具合がセクシーで、、

たまりませんぜ。 ダンナ!



2012/12/08

●● スパンキースカート完成直前で、急な上海出張に!

   サンプルレザーがインカス社から届く間に
時間があったので
先週は、10月中頃からペンディングの
スパンキースカートを仕上げにかかりました。

   結局、実際にベルトを装着すべく本格的に縫製始めると
とても、製作上、デザインに無理があることがわかり
根本的に、デザインを見直すことに。

   ちょっと、くりぬきが多すぎて
カーブのR具合がきついため、
美しいカーブを縫えません、、、

   ひとつ、減らして再度全体のバランスを修正し
いよいよ実際に縫おうと思った矢先に
なんと、急に上海へ出張することになりました。

   実は、現在、上海事務所として借りている部屋を
2月までに立ち退いてくれとの要請です。
どうも、1フロア全体を空けさせたいみたいです。

   中国では、旧正月が2月なので、
要は中国で言うところの年末一杯で
退去してくれと言うわけです。

   驚いて、上海のスタッフに
我々と同じフロアの他の会社の意向を探らせると
やはり、仕方ないのでみんな他のビルへ
事務所を移転するようです。

   あと、3ヶ月しかないやん!
でも、契約書を確認させると3ヶ月前に通告すれば
問題ないと明記されているので万事休す。
損害賠償として、3ヶ月間の家賃をタダにすることを
条件に、しぶしぶ承諾しました。

   まあ、政府系のオーナーのビルだったので
相場的には安かったのですが、
そこは、やはり共産党系です。

   万博やオリンピックで土地の収用のために、
住民を強制退去させることが平気でできる
共産党独裁国家ですから。
中国では、ごくアタリマエのことです。

   うちだけ、契約期限一杯の6月まで居座っても
他の事務所が退去したら、工事を始めるだろうし
騒音や埃の中で、上海スタッフが嫌がらせを受けるのも
かわいそうなので、
急遽、事務所探しのために明日の9日(日)から上海へ行くことに!

   速攻で新しい事務所を決めて工事内容と引越しの
段取りまで、たった1週間でつけてこなければなりません。

   う~ん、、、
クリスマスをターゲットに新商品の販売を予定していただけに
直前のこの1週間もの貴重な開発時間が無くなったのは痛い!

   おまけに、中国では、以前も言いましたが
グーグルと喧嘩状態のため、グーグルの関係は一切アクセスできず
遮断されていますから、このブログも書けません。トホホ、、、

   そんなわけで、しばらく空白時間ができてしまいますが
皆さん、ヨロシクです。次回は、15日に帰国してからということで。

それでは、行ってきま~す!




●● 伊インカス社からサンプルが届きました!

  先週末にインカス社から今回発注した3種類のレザーの
サンプルが届きました。
DHL航空便でイタリアから到着!

キッチリとインボイス輸入書類および、各サンプルのレザー明細票が添付!イタリアにしてはさすが老舗メーカーですね。




  本発注分の出荷が12月末ごろになるということだったので
ちょっと遅すぎます。そこで、早く、ハイヒールの試作テストするために
とりあえず、黒だけで良いから送れと指示したのです。

  いずれも、高級革のベビーカーフ(生まれたての生後3ヶ月以内の仔牛)ですが
加工が違います。

  ●ツヤツヤに加工したResina。
  ●自分で好みの半艶に仕上げることのできるParma。
  ●そして、シャネル、エルメスにも使われるベビーカーフの
3種類です。


こちらは、ツヤツヤロイヤルカーフレザーのResina。識別用のシールを貼ってくれています。




















レザー自体には、誇らしげにイタリア名門タンナーであるINCAS社の刻印が押されています。画面一番下に写っているツヤツヤに光っているのがハイヒール、ブーツ用の表革に使うロイヤルカーフのResinaの表面です。




   それぞれを、ハイヒールとブーツの表革、
靴底のアウトソール、レザーウェアに使おうと思ってマス。

   中でも、驚いたのが自分好みに半艶具合を調節仕上げできる
加工を施したParma。
送られたきた素材は、まったくの艶無しの素っ気無い革生地。
何じゃこれは~!とドキッとしたのです。くすんだなぐりつけたような
艶無しの革でしたので、一瞬だまされたカナと、、、

   ところが、磨いていくとドンドン艶がでてくる。
完全に磨き上げると、ロイヤルカーフと同じツヤツヤになります。
これは、とてもイイ。特に、半艶のグロス加減に拘る我々職人には
ウヒョヒョのレザーですね。自分のイメージどおりの半艶具合で
ハイヒールの靴底を仕上げられるので最高の6インチヒールができますよ。
疑ってスミマセン、、、

   プラモを作っておられる皆さんには、よくおわかりかと思います。
ドイツ軍の戦車などを、どのくらいの艶無し感で塗料を調合するかという、
あの感じです。

   次に、今回の特筆モノのレザーがヨーロッパの一級ブランド
御用達のベビーカーフ。何が、すごいかというと
まったくシボが無いくらいの平滑感を持つ革の表面(銀面という)
なんです。

   いままで、ギリシャラムレザーの手染め(美ジャケットや
クラシコスカートで使用しているレザーです)が
一番、きめ細かいと思っていたのですが、
その10倍くらい超微細!

   まあ、生まれたての赤ちゃん牛なんだから
肌はスベスベですわね。だから、当然といえば当然なんですが。
とにかく、いつまでもナデナデしていたいくらい気持ちイイ!

   これらを今週は、ずっと、漉き割りマシンで薄くスライスした場合の
各種の薄さ具合とその質感、ベストな厚みは
どれくらいか、限界の薄さはどうか、など。
いろいろテストしていたわけです。

   革にはそれぞれ特長があるので
各素材の持つ良さを最大限生かして商品化するのが
重要です。そのために、それぞれの素材をよく知らなければ
なりません。

   今回のインカス社から直輸入したレザーが
ビザールクイーンの素材に加わったので
ベルト、バッグなど各種アクセサリーにも使えそうです。
ラムレザーでは、ウェアには良いのですが、強度が必要なアイテムや
明らかに質感が合っていないバッグ類などには使えないため
あきらめていましたから。

   でも、これにより、来年からはもっと広いアイテム展開をできるかなと
ワクワクしています。

   実は、今、そのために最大のネックである試作に伴う
時間と労力を軽減するための作戦を遂行中なのですが
それは、また次回にでも!