2012/09/27

●● おお、翼よ!これがあの有名なデュプイのボックスカーフ革か!

今週は、忙しい中を
予定通り、大阪のレザーショップへ行って
最終素材を探してきました。

まずは、ブランド品の雄、エルメスやカルティエに
使われているレザーとして有名な
フランスのデュプイ社のボックスカーフを
初めて見ました。
かっこいい、デュプイ社の包装紙で
包まれていました。


広げてもらうと、ああ、人目で
銀面(革の表面のこと)の緻密さがわかります。
傷も少なく、とても質の良い革です。
ただ、ラム(子羊)に比べて、ちょっと
ギラツキがあるかなあ、、、
というのが、第一印象でした。

一流品の縫製を研究するために買ったカルティエの財布。モチ私物です~。これらに使われているのがデュプイ社の革。

生まれて間もない子牛のレザーなので、きめ細かいデュプイの銀面です。子羊のラムレザーとまた感じが違いますね。

Tanneries Du Puy とあるのが、デュプイ社が製造した革という意味。かっこいいロゴマークですなあ、、グレード等級は1級が表示されていますね。

こちらは、同じくフランスのタンナー(製革業者)であるアノネイ社のボックスカーフ。どちらかといえばこちらの方がしっとりしています。銀面の緻密さはやや、こちらが上。

次に、同じく、フランスの有名なタンナーである
アノネイ社のボックスカーフも見せてもらいました。
この会社は、デュプイから分家したオーナーの会社だそうです。

こちらも、生後3ヶ月程度の子牛のカーフ革ですから、
緻密な銀面でだいたい1.6~2mm程度の厚みです。
ただ、どちらかといえば、
こちらのほうが、しっとりと落ち着いた黒味です。
上記の写真で、光の反射具合を比較していただくと
ギラツキのある無いで、違いがわかるかな、、、

いずれにせよ、試作してみないとわからないので
1頭分ずつ、高価でしたが、死ぬ気で買いました。^o^
なんせ、輸入品ですから、常時いつでもあるわけでもないので
あるときに、一気に買っておかないと輸入ものの
レザー皮革は、あとで必要な時に手に入らず困るのです。

ついでに、お店のレザー、特に牛革は私の専門ではないので
いろいろ説明をしていただき、見せてもらっていると、
とても手触りの良いものを発見。
尋ねるとユーロホースとのこと。

えっ!それって、馬革?それもユーロだから
ヨーロッパの?
これは、スゴイ。馬革というと、コードバンといって
馬のお尻の締まった部分だけを使う革です。
硬めのツヤツヤの、どちらかといえば
高級バッグや財布にしか使われない高い革。

もともとは、スペインのコルドバ地方が産地だったので
コードバンという名前になったとか。
それが、全然、質感の違う、
ネットリしたモチモチしっとり感のある手触りの革だったので
驚いたワケ。

どうやら、アパレル用に特別な”なめし”加工をしたからだとか。
迷わず、これも買いました。これは、ブーツ用にです。
それも、クシュクシュブーツって知ってますか?
あんな質感にぴったりなんです。

こんなクシュクシュブーツの質感でニーハイブーツを作りたいっス!その素材がユーロホースでイケルかもです!
この試作では、ラムを使ったので、シワの入り具合は良いのですが、イマイチ薄すぎてボリューム感が無い、、、

通常、ドイツ軍の将校のように、
ツヤピカのボックスカーフのハードなイメージの
ブーツを想像しますが、
いろいろなタイプのブーツを作りたいので
クシュクシュブーツに合うような
素材も探していました。

はてさて、
これらの高級カーフ素材で試作したらどうなるかな?



2012/09/22

●● ハイヒール製作用の冶具を作成中!

素材は、あと靴底(アウトソール)を残して
すべて決定できました。
靴底については、来週、直接レザーショップへ
行って、最後の詰めをします。

万一、良いものが無ければ、とりあえず
時間切れなので、今、手持ちのレザーを
使って、いけるとこまで製作しようと思います。

そのかわり、手持ち分が無くなった時点で
別素材に切り替えなければなりません。

メインのラムレザーは、一生分は ^o^
確保していますが、
ハイヒール用のレザーは多種類にわたるため
ずっと、末永く入手できるものを
メイン素材として確保する必要があります。

でないと、スポットの素材を使うと
毎回、売切れたら、オワリの少数限定販売になるので
多くの方にご提供できなくなり、困ります。

なにぶん、質感に拘るので、
自分が納得できる素材と出会うのが
難しいです、、、

ラムレザーでさえ、
今の最終素材にたどり着くまでに
5年はかかっていますから。

さて、その間に、試作時に
こんな冶具があれば、便利なのに、、、
と、気付いた点が多々あったので
久しぶりに、CAMで切削加工しました。

まずは、少しでも作業効率を良くするため
靴底を貼るための冶具を追加で製作しました。
これは、糊が乾くのを待っている間に、
別のハイヒールの靴底を貼る作業ができるようにして
時間を節約したいからです。

結局、靴作りはハンドメイドの手作り作業になるため
どうしても、時間がかかります。
また、糊付け作業も乾くまで時間が必要ですから
良い、ハイヒールを作るには、
気長に根気良く作業するしかないですネエ、、、

切削加工が完了した直後のCAM切削風景。定番のローランドDG社のMDX40A改です。ローランドは、音楽から切削加工まで手がける不思議な会社です!

これは、靴底を貼るための冶具。ホットスタッフの足サイズに修正した専用のハイヒール木型となります。

あと、試作中に、あればいいなあ、と気付いた冶具として、
つま先と踵の形をしつけるための冶具。
靴底用の冶具では、靴底を上にすることで
貼る作業をしやすいように設計しているので、
これを流用した作業方法では、非常にやりにくかったんです。

そこで、靴底をひっくりかえさずに
通常のカタチにした冶具を急いで3DのCGモデリングで
作成し、CAM切削で製作しました。
コレだと、普通に上から踵や爪先の形を
美しくしつけることが容易になります。

左が、新たに作った爪先、踵のしつけ用冶具。右は、従来の靴底の貼り付け用冶具。うしろは、カルバンクラインの美しいハイヒール!
あと、もう2点ほど作りたい冶具があるので
週末に3Dでモデリングして、来週、切削加工します~。

2012/09/16

●● ハイヒールの素材選定、あともう少し!

ハイヒールに関しては、
今週、ずっと使用するレザー皮革の素材選定で
たいへんでした。

なんとか、レザーサンプルの中から
選んだ素材を発注し、週末にギリギリ届いたので
さっそく、裁断、漉き加工、金箔テストと
突貫作業でした。

先週、いろいろ検討した結果、
コレならいけるかもと選んだ5cm角のサンプルを
レザー会社に、30種類くらい(もちろん有償!)発注し、
今週初めに到着。

さっそく、1/6サイズのハイヒールに合わせて
サンプルの素材の質感を吟味して、結局
靴の中敷にイケルかもと選んだのが
有名な栃木レザー製のワイルドレザー。

栃木レザーといえば、牛革の世界では有名な
メーカーです。


それが、なんとか休み前にギリギリ到着したので
さっそく、広げて表面チェック。
牛1頭分ありますからね!
2m近くになります。

でも、普段専門の子羊のラムレザーと違って
やはり大人の成牛なんで、表面の(専門語で銀面といいます。)
荒れが多いです。1/1ではワイルドな質感で使える部分も多いでしょうが

ビザールクイーンとしては、
1/6の嗜好趣味品であり、実用品ではないので、
とにかく皮革の品質が命です。


だから、使えそうなところと、傷や荒れが多く
使えないところを初めに大胆にカットします。
結局、最もキズの無い美しい銀面の部分は
1mぐらいになりました、、、(涙)
半分はボツですか。まあ、個体差なのか、
このワイルドレザーというのはこういうモノなのか、、、
次回の発注でわかるでしょう。

いずれにせよ、天然レザー皮革の世界では
キズがあってこそ、天然素材。これがアタリマエの世界です。
それがいやなら、人工のフェイク合成レザーにしな!
と、イタリア人なら言うでしょうなあ、、、

さて、このレザーは、もともと、
サンプルで、5mm厚!くらいあるので、
さすがに、これは、事前に2mmまで全体を漉くように
依頼しました。硬いので5mmもあれば
鉄板みたいだから、取り回せませんので、、、




さすがに栃木レザー製のワイルドレザーだけあって、荒れ方もワイルドだわ!ボツった部分を大胆にカット。これは、すべてボツにした部分です。
基本的に、これらのレザーはハーレーなどの
ハードなそれこそ、ワイルドな
バイカーアイテムなんぞに使われます。
バッグやポーチなんかですね。

同じ、牛革でも、表革に使う予定のロイヤルカーフなどとは
まったく、違いまして、銀面の肌理の細かさやしなやかさが
ありません。ある意味、これらの素材の違いを楽しんでいただける
のではないかと思います。
この辺は、リアルレザーならではの愉しみ方でしょうね。
やはり、趣味の世界なのですから、ゆっくり楽しみながら贅沢な時間を
過ごしたいものです。

さっそく、この極上レザーを0.6mmに漉き加工します。
コレ以下でもコレ以上でもダメです。
この素材には、この厚みがベストです。

そうして漉き上がったパーツを
今度は、金箔押しのテストにかけます。
どんな温度で、どのくらい圧をかければ
一番ベストな金箔が押せるか、、、
これまた、手間のかかる作業です。

ベストな温度、圧の強さと圧力をかける時間を探すためにテストをします。不適切だとキレイに金箔が押せません。

中敷には、通常、靴のデザイナーブランドが
金箔などで押されていますね。
やはり、コレが無いとイケテナイので
ビザールクイーンの金箔を押したいわけですよ~!

それがあると、イケてるハイヒールになるわけです。
それが、
コ・レ・ダ

とりあえず、金箔の位置決めの検証をするために試作でボツったテキトーなハイヒールに敷いてみた中敷。左はちょっと高すぎ?右は、1mm下げてみたもの。右の方が自然かな?

表革の肌理の細かい上品なロイヤルカーフに対し
ちょっとギラツキのあるワイルドカーフで
メリハリをつけたハイヒールの中敷。
このように、眺めているだけで、各パーツの
素材感も楽しめます!

ビザールクイーンの金箔ロゴが入るだけで
イケてるハイヒールになりました。
実物を目の前にして見ていると、
時間が過ぎるのを忘れてしまいます!

もちろん、ハイヒールだけを愛でるのもいいですが、
これがホットスタッフボディに
しっかり履かせることができるのですから
たまりませんゼ、ダンナ!

2012/09/12

●● すごい!特注極小マイクロブラフックができました!

今日、長らく待ち続けた特注パーツが届きました。

ハイ、それは、
マイクロブラ用の特注極小のマイクロブラフックです!

夏前にリリースした、クラシコシリーズの
ブラジャーですが、残念ながら、どうしても
パーツが見つからず、止む無く足元から通す
ちょっと不便なスタイルでの着脱でした。

私としても、実にイケてないなあ、、、
もっとスマートに着脱したいなあ、という思いが強く
執念で、1mmのゴム幅に合うような
極小のマイクロフックを製作してくれる工場を
探しました。

その結果、盆休み前になんとか
受けてくれる工場が見つかり
奇跡の1mmのゴム専用のフックができたのです!
それが、
コ・レ・ダ!

左は2mmのゴム用、右は今回の1mmのゴム専用のブラジャーフック

まあ、こんな特注パーツを作ってくれたオヤジもスゴイが、
執念で作らせたオイラもスゴイ、、、
機械のプレスでは、不可能なため
オヤジが手作業でプレスしたという、
涙モノのパーツですぜ、ダンナ!

幅は、これ以上、短くすると、ゴムを通せなくなる
実用限界ギリギリなので、2mm幅と同じにしましたが
高さは、1mmのゴム幅に合わせて
限界ギリギリの60%まで短くしました。
半分まで短くするとゴムが通らないからです。

これを使えば、1mm幅のブラも、こうなるわけです。

(左)とりあえず試作してみたマイクロフックの着脱タイプ、(右)従来の2mm用フックを使ったソリッドゴールドのブラ。

恐らく、1/6スケールのブラジャーで
美しさと実用性を追求するために、
特注ゴム~特注ブラジャーフックに至るまで
ここまで徹底的に拘った、オタクメーカーは無いでしょう!
世界広しと、いえどもビザールクイーンだけですなあ、、、

と、言うよりも、ただ自分が満足できるようなモノを
作りたいだけなんでして、ハイ。
ハッキリ言って、自己満足です~^o^

これにより、今後のブラはすべて
背面の特注の極小マイクロブラフックで、着脱できるように
なりますから、とても実用的で、便利ですね。
とにかく、
スマートな着脱方法なので、
デザイン的にもイケてるブラになりますよ~!


これからのビザールクイーンインナーウェアに
ご期待ください!


2012/09/06

●● イケてるハイヒールができましたぜ、ダンナ!

あれから、ずっと6インチハイヒールに
集中して開発を続け、
やっと!!
出来上がった、イケてるハイヒールが、

コ・レ・ダ!!




実に、試作20号めで、やっと、パターンが見つかり
エッジの効いた、エレガントでセクシーな
ハイヒールになりました、、、

こちらは、前回のブログ写真5号との比較。シルエットの違いがハッキリ!

前回のブログの写真で、
いったいどこが問題あるの?
と、思われた方も多かったでしょうが、
比較写真をご覧いただけば
一目瞭然ですね。
ハイヒールを作るのは簡単ですが、
美しくてエレガントなハイヒールを作るのは
デザインセンスが問われるので、ホントに難しいです、、、

24日時点の試作5号では、
すでに、頭の中にこの20号のイメージがはっきり
浮かんでいたのです。

ただ、
それを実現化するための具体的な
裁断パターンを見つけるまでが大変!
約2週間、試行錯誤を続け、奮闘努力したわけです。
その、軌跡が

コ・レ・ダ!!


試作1号から18号まで!

特に、甲からサイドにかけての
シャープなエッジラインを見つけるために
1mmきざみで修正、試作の繰り返しでした。

最終的には、尖ったヒールの先につながる
ラインをエレガントにするために、全体に
絞り込んで、さらに1mmだけ延長しました。
ところが、このために靴底のパーツの型も
当然、修正するハメに!

だから、上記の写真では、靴底が1mmほど
足らないでしょ!つま先だけが飛び出してるのが
お分かりいただけるでしょう。
靴底パーツの修正出来しだい、
ピッタリあった美しいエレガントなハイヒールに
なるでしょう。
こんなセクシーな1/6ハイヒールに踏まれたい、、、

なァ~んて、考えちゃダメですぜ、ダンナ!


加えて、もうひとつの苦労が
踵の処理。
6インチのハイヒールの場合、
どうしても踵で、縫合しなければなりませんが
厚いカーフレザーをどう縫製処理するか
ホントに試行錯誤しましたね。

単純に縫い合わせると、レザーが
2重、3重に重なるので、ごわついて
ホットスタッフの踵が入りません。
何度も投げ出しては、気を取り直して
新しい縫製方法を試すうちに、
結局、18号まで試作していました、、、

現在の20号では、やっと
解決方法を見つけ実用化のメドがつきました。
答えは、まったく予想もしなかった単純な製作方法でした、、、トホホ。

そうして、縫製の各問題点が片付いたので
今、やっていることは、ハイヒールの
各パーツの素材選択です。

当初、1/1世界同様のパーツ素材を使うつもりだったのですが、
実際にやってみると、素材によっては
1/6スケールに似合わないものがあります。

1/1での皮革の肌理が粗いために、
そのまま、1/6スケールのハイヒールに使用すると
違和感がでるのです。

まあ、アタリマエなわけですが、、、

そこで、このパーツ素材は1/6に縮小したとき、
こういう感じになるだろうと、
見た目が自然になるような、感じの似た皮革素材を
探しているのです。

プロの靴職人さんの世界では、
たくさんのパーツを使われますが、
1/6ハイヒールでは、
甲表革、内貼り革、中敷、金箔用ロゴ用の上敷、
底ソールの5種類が最低必要と思います。

甲表革は、イタリア、ドイツ、フランスなどの
ロイヤルカーフでキマリですが、
他のパーツについては、見た目が
それらしくなるように、近いレザーを探さなければ
なりません。

ラムレザーは、すでに研究したので
だいたい、知り尽くしていますが、
カーフレザーなど、牛革の世界は、
種類が実に多いので大変です。

上品なロイヤルカーフの表革素材に合うような
バランスの取れたレザーを組み合わせないと
いけませんから、う~ん、
来週は、各種レザー素材をいろいろ組み合わせた試作品を
作る必要がありますね、、、

あと、試作25号くらいは、
軽くいきそうですが、、、
なんとか、今月、発売できるように頑張ります!