2012/11/02

●● 解決法やっと見つけました!ハイヒールのスパイク穴

先週はCAM切削機のツール刃が折れたので
とにかく、
切削するというアプローチを捨て
ふと、思いついたのがレーザー切断でした。

CAMでは、ドリル刃の回転熱で溶けますが、
こちらもレーザー照射で燃やすわけですから
その熱でABS樹脂は溶けます。

しか~し!
CAM切削と違い、レーザーでは細かいコントロールが可能ですから
同じ一点に長時間集中照射しなければ
つまり、
溶けだす前に、照射を止めればいいじゃん!

おお、そうか。と、気付いた次第でして、、、

レーザーの長所は、CAM切削同様、
正確な位置に、正確なスパイク穴を開けられます。
また、CAM切削のように、
ドリルツール刃の物理的な直径寸法に制約を受ける
必要がありません。

ABS樹脂の場合、ツール刃では、やはり1mmが限界です。
0.5mmになれば、ちょっとした衝撃で簡単に折れます。
すると、1万円近い金額がパァになります、、、ToT
いっぽう、レーザーは光線ですから、
0.01mmくらいでも可能なので、非常に有利です。

あとは、照射熱により溶けるという問題を
どう解決するかですが、これは、もう実際の材料を使って
実戦テストして、試行錯誤するしかありません。

さっそく、今週初めに開始。
ハイヒールの踵に開けるスパイク穴は、
結局、タテヨコ0.3mmX2mmで、深さを2.5mmとしました。

これを実現する加工方法を試行錯誤した結果、
うひょひょ~!
かなり、手間はかかりますが、成功しました。

一回の照射回数を20回くらいにし、
溶ける手前で停止、冷却、また照射という1工程サイクルを
20セット繰り返すと成功することがわかりました。
20回繰り返すと、だいたい2.5mmまでの深さに掘ることができます。

だからといって、
早く済ますために、照射回数を増やしたり、
照射パワーを上げると、逆に過熱して溶け出してしまいます。
じつに、厄介なのですが、
仕方ありません。急がば回れです。

加工方法は、これで解決したので
あとは、ある程度量産する以上、
すべてのハイヒールの踵パーツのスパイク穴が
同じ位置になるように、正確な位置合わせ用の冶具を
作らねばなりません。

これは、CAM切削で作る必要があります。
ハイヒールの踵パーツの原形は3DCGのモデルデータですから、
これをまあ、5足分くらい横並びにセットした冶具を作れば、
ちょうど、他のパーツを照射している間に
先に照射が済んだパーツを冷却する時間が稼げるので良いですね。

イメージとしては、角材みたいな冶具に
5個横並びにハイヒールの踵をはめこみ、
レーザーの原点に角材冶具の角を合わせて置くことで
全てのパーツのX,Yの位置が固定されますから
確実に、同じ位置にスパイク穴を開けることが出来るわけです。

てなわけで、今週は、ずっとまた自宅へ帰ってから
夜、3DCGで冶具作りをしていました。

そのかわり、今週後半の昼間は、レース刺繍の製作テストと
ストッキング製作用に先月買ったオーバーロックミシンの
改造をしていました。

レース刺繍は、先週作ったホットスタッフボディの
トルソーボディを使って、肩ヒモタイプの
クラシックなブラジャーを作る以上は、
やはり、レースのついたブラが欲しいでしょう? 
違います?  (私はとても欲しいデスガ、、、)

でも、1/6サイズのブラに合った美しいレースなんて
市販されてませんね。
無いのだったら、自分で作ってしまえ!、、が
ビザールクイーンのポリシーですから
最適なデザインになるように、刺繍ソフトの
柄データの作成方法に試行錯誤してるわけです。

これまた、データを作成したら、実際に刺繍して
その結果の出来不出来で、再度、データ修正するということの繰り返しで
忍耐のいる作業です。

もひとつは、ストッキングの開発。
USAのランジェリーメーカーの透ける素材を
使った美セクシーなシアーストッキングも
長らく売り切れ状態でした。

いやナニ、、、決して放置してるわけではないんでして。
最大の欠点であった、伝線しやすいというマイナス面での
繊細さを克服するための方法を模索していたわけです。

今回、ハイヒールが実用化されると
どうしても、ストッキングは必須アイテムとなりますから
並行して、実用化のメドを立てなければいけません。

数年前に、弊社工場にある工業用のオーバーロックミシンを
保守技術係に、改造してもらったのですが
どうしても2.5mmほどの縫い幅になります。
これでは、セクシーなシームストッキングにはならないので
断念した経緯があります。

ところが、最近、家庭用のオーバーロックミシンだと
意外とデフォルトで2mmの縫い幅が可能だと知り
こいつを改造すれば、1.5mm~1.2mmくらいまで
細くすることができるのでは?

というわけで、これまたマイクロボール盤で
ミシンパーツを0.3mmくらいまで2日かけて慎重に削り
テストしたら約1.8mmまでになったので
これで、機械的な部分はもう限界と判断し
あとは、各種、縫い糸の素材を研究することで
やっと1.5mmを実現!

これで、耐久性のあるシームストッキングが
お届けできるようになりましたぜ、ダンナ!