2011/11/20

●●HOTSTUFF工場訪問⑩ 商談よりも信頼関係が大切!

もともと、今回の出張目的は我々の検査基準と
彼らの品質基準をすりあわせることでした。
つまり、
ここまでは、不良品、これ以上は、
製造上の限界なので良品とする、、、
といったことを、細かく双方納得したうえで
共通認識として合意することでした。

しかし、初めに今回の不良品の発生理由が
未熟な作業者によるものであり、
いまは、社長自らが製造作業をするようになったので
もはや、不良品について商談するという目的が無くなりました。
彼にも職人の意地がある以上、
品質についてはあえて言わずとも、
十分認識しておられるはずだからです。

したがって、我々としては
まず、ビザールクイーン定番品として
今後も継続して供給してもらえるように交渉することが
最大の目的になりました。
ただ、香港ブローカーの大量注文の間隙をぬって
我々の注文を(それも、品質にこだわる日本流ハイレベルな注文!)
OKしてもらうには、
やはり、理詰めじゃだめですね。
まずは、気持ちが通じないと、、、

職人さんというのは、日本でも外国でも一緒でしょうが
理屈で動く人たちではありません。
心情で動きます。
思えば、大学を出てすぐに、
編み機の職人さんの世界に直面しましたが
机上の理論しか知らない学生あがりには
この手の人たちが存在するということ自体が
理解できず、何と世の中はままならんのか、、
と、嘆いたものです。

いくら、納期を守れと理詰めで怒鳴っても
若造のものの言い方が気に食わん、、、
なんてことで、ふて寝して機械を動かさない、、
もう、こうなるとニッチもサッチもいかない。
一般社会の大部分はこんなことはないのですが、
こと、職人さんの世界になると話は別。
つまり、サラリーマン社会では
通常は、納期を守るという理屈が通るので
1+1=2の世界です。
しかし、職人さんの世界は
1+1=0もあるし、逆に1+1=10になることもある。

それが、わかりはじめたのは、
やっと5年くらい社会人の経験を踏んでからでしょうね。
つまり、理屈じゃなくて、
”もうどうしようもない、あんたしか頼る人がおらん
なんとか、納期に間に合わせてください!”と
心に訴えかけると、
”しゃあないな!”と、一睡もせずに機械を動かしてくれる。
こういったことは、逆にサラリーマンの1+1=2の世界では
絶対にありえないですね。そこまで、誰もいやがってしてくれませんから。

もちろん、職人さんは純粋な人が多いので
すぐに、相手の心を見透かします。
ですから、打算的に口だけうまく言って
ごまかそうなんて気持ちは、通用しません。
あくまで、
本心でぶつからなければなりません。

そのような職人さん相手の世界で、ずっと苦労してきたので
今回のEDATION社の社長さんに対しても
まずは、今回の出張で
彼らとの心情を通わせ、
信頼関係を築くことが大事だなと考えました。
回り道のようですが、
それが、結局、我々の希望を受け入れてもらえる
一番の早道だと思ったのです、、、